初等関数とそのほかの関数(Functions)

初等関数(ElementaryFunctions)

四則演算とevalf

四則演算は"+-*/".割り切れない割り算は分数のまま表示される.

> 3/4;
$$ \frac{3}{4} $$

強制的に数値(浮動小数点数)で出力するにはevalfを用いる.

> evalf(3/4);
$$ 0.7500000000 $$
多項式関数(polynom)

かけ算も省略せずに打ち込む必要がある.またベキ乗は\verb="^"=である.

> 3*x^2-4*x+3;
$$ 3x^2-4x+3 $$
平方根(sqrt)

平方根はsquare rootを略したsqrtを使う.

> sqrt(2);
$$ \sqrt{2} $$
三角関数(trigonal)

sin, cosなどの三角関数はラジアンで入力する.ただし, $\sin^2x$などは

> sin^2 x;
Error, missing operator or `;`

ではだめで,

> sin(x)^2;
$$ \sin^2x $$

と省略せずに打ち込まねばならない.三角関数でよく使う定数$\pi$は"Pi"と入力する.Mapleは大文字と小文字を区別するので注意.

ラジアン(radian)に度(degree)から変換するには以下のようにする.

> convert(90*degrees, radians);
  convert(1/6*Pi,degrees);
$$ \frac{1}{2}\pi $$ $$ 30\,\, degrees $$
その他の関数(inifnc)

その他の初等関数やよく使われる超越関数など,Mapleの起動時に用意されている関数のリストは,

> ?inifnc;

で得られる.

ユーザー定義関数(unapply)

初等関数やその他の関数を組み合わせてユーザー定義関数を作ることができる.

関数$f(x) = 2 x - 3$とおくとする場合,Mapleでは,

> f:=x->2*x-3;
$$ f:= x \rightarrow 2 x - 3 $$

と,矢印で書く.これが関数としてちゃんと定義されているかは,いくつかの数値や変数を$f(x)$に代入して確認する.

> f(3);               #res: 3 (以降出力を省略する場合はこのように表記)
  f(a);               #res: 2 a - 3
  plot(f(x),x=-2..2);
Functionsplot2d1.png

もう一つ関数定義のコマンドとして次のunapplyも同じ意味である.

> f:=unapply(2*x-3,x);
$$ f:= x \rightarrow 2 x - 3 $$

ただし,矢印での定義ではときどき変な振る舞いになるので,unapplyを常に使うようにこころがけたほうが安全.

packageの呼び出し(with)

Mapleが提供する膨大な数の関数から,目的とするものを捜し出すにはhelpを使う.普段は使わない関数は,使う前に明示的に呼び出す必要がある.例えば,線形代数によく使われる関数群は,

> with(LinearAlgebra):

としておく必要がある.この他にもいくつもの有益な関数パッケージが用意されている.

> ?index[package];

で用意されているすべてのpackageが表示される.

関数についての課題

  1. evalfのヘルプを参照して,Piを1000桁まで表示せよ.
  2. 正接関数(tan)とその逆関数arctanをx=-Pi/2..Pi/2,y=-Pi..Pi,scaling=constrainedで同時にプロットせよ.
  3. 対数関数はln(x)で与えられる.ヘルプを参照しながら次の値を求めよ.
$$ \log_{10}1000, \log_{2}\frac{1}{16}, \log_{\sqrt{5}}125 $$
  1. 次の関数は$y=2^x$とどのような位置関係にあるかx=-5..5,y=-5..5で同時にプロットして観察せよ.
$$ y = -2^x, y = (1/2)^x,y = -(1/2)^x $$
  1. 指数関数はexpで与えられる.$\mbox{e}^x$と$\log x$関数および$y = x$を同時にx=-5..5,y=-5..5でplotせよ.またそれらの関数の位置関係を述べよ.
  2. 階乗関数factorialに3を代入して何を求める関数か予測せよ.ヘルプを参照し,よりなじみの深い表記を試してみよ.

Functions

  1. evalfのヘルプを参照して,Piを1000桁まで表示せよ.
> ?evalf;
> evalf[1000](Pi);      #省略
  1. 正接関数(tan)とその逆関数arctanをx=-Pi/2..Pi/2,y=-Pi..Pi,scaling=constrainedで同時にプロットせよ.
> plot([tan(x),arctan(x)],x=-Pi/2..Pi/2,y=-Pi..Pi,scaling=constrained);
Functionsplot2d2.png
  1. 対数関数はln(x)で与えられる.ヘルプを参照しながら次の値を求めよ.
$$ \log_{10}1000, \log_{2}\frac{1}{16}, \log_{\sqrt{5}}125 $$
> ?ln;
> log10(1000);
$$ 3 $$
> log[2](1/16);
$$ -4 $$
> log[sqrt(5)](125);
$$ 6 $$
  1. 次の関数は$y=2^x$とどのような位置関係にあるかx=-5..5,y=-5..5で同時にプロットして観察せよ.
$$ y = -2^x, y = (1/2)^x,y = -(1/2)^x $$
> plot([2^x,-2^x,(1/2)^x,-(1/2)^x],x=-5..5,y=-5..5);

注目している関数以外を消せばはっきりするが,i) x軸に対称,ii) y軸に対称, iii) 原点に対称.

Functionsplot2d3.png
  1. 指数関数はexpで与えられる.$\mbox{e}^x$と$\log x$関数および$y = x$を同時にx=-5..5,y=-5..5でplotせよ.またそれらの関数の位置関係を述べよ.
> plot([exp(x),log(x),x],x=-5..5,y=-5..5);
Functionsplot2d4.png
  1. 階乗関数factorialに3を代入して何を求める関数か予測せよ.ヘルプを参照し,よりなじみの深い表記を試してみよ.
> factorial(3)
$$ 6 $$
> ?factorial;
> 3!;
Last modified:2016/08/01 18:10:03
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