研究紹介

音楽と脳
ymoDrum
 我々の生活には音楽が溢れており,我々に様々な影響を与えています.片寄研究室のテーマの一つとして,音楽と脳との関連を解明していきます.
@音楽聴取時の脳活動 [click]
 音楽家は,同じ楽曲であっても,「聞き流す」・「楽曲構造を分析しながら聴く」など,聴き方を変えることができると言われています.この聴き方の違いを科学的に検証するために,音楽聴取時の脳活動をNIRSやMRIを用いて計測しています.

A身体で音を感じる時の脳活動 [click]
 音楽演奏は,音楽を愉しむ一つの要素と言えます.しかしながら,ヒトの脳に与える影響について詳細な検討は行われてきませんでした.片寄研究室では,日本が古来から利用してきた和太鼓を利用して,演奏がヒトの脳に与える影響を検討しています.
 身体への振動と拍打動作が和太鼓の音に対する印象と脳活動に影響を与えていることが,われわれの研究によって明らかになりました.


テレビゲームによる心身への影響
 近年,テレビゲームは家庭におけるエンタテインメントの一翼を担うと同時に,産業としても日本の重要な位置を占めるに至っています.しかし,テレビゲームによるヒトへの影響は詳しくは明らかにされていません.
@熟達者と非熟達者の脳活動 [click]JoyStick
 片寄研究室ではテレビゲームによるヒトへの影響を「熟達度」という観点からアプローチすることによって,テレビゲームがヒトの脳に及ぼす影響の解明と,「熟達」についての新たな知見の獲得を目指して研究を行っています.
 従来の研究の多くは,テレビゲーム中の前頭前野の活動は低下すると報告しています.片寄研究室で行った実験では,初心者・中級者では前頭前野の活動は低下するのに対して,熟達者では前頭前野の活動が上昇する,という結果が得られました.この結果は,プレイヤーの熟達度によって,ゲームに対する認知が異なることを意味します.

A対人ゲームプレイの効果 [click]
 テレビゲームは,一人でプレイするだけでなく,複数人数で一緒にプレイすることもできます.複数人数で一緒にプレイする場合には,ゲームの内容だけではなく,一緒にプレイする相手によっても楽しさが大きく影響されると考えられます.さらには,テレビゲームを一緒にプレイすることによってお互いの人間関係や人物評価が変化する可能性が考えられます.片寄研究室では,このようなテレビゲームが持つ社会性に注目しています.


虚偽検出の計測手法 [click]
 日本国内で犯罪捜査に利用されている虚偽検出の検出精度を向上させる研究を行っています.
 虚偽検出は,「ヒト(被検査者)の反応から,そのヒト(被検査者)の記憶を探る」という意味で,心理計測が実社会に応用されている最たる例です.
 従来の虚偽検出においては,自律神経系の生理指標(脈波・心拍・呼吸・皮膚電気活動)が利用されてきました.片寄研究室では,これらの生理指標に加えて,中枢神経系の反応を指標にして,虚偽検出の精度を向上させることを目指しています.


顔の認知 [click]SchematicFace
 ヒトは顔を見ることによって,個体識別や,その個体の情動を認識することができます.このような顔認知の能力は,ヒト社会における円滑な生存のために必要不可欠ですが,その仕組みの全てが明らかにされているわけではありません.片寄研究室では,脳活動計測と行動計測を用いて顔認知の仕組みを研究しています.