テレビゲームによる心身への影響
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熟達者と非熟達者の脳活動
世間では「テレビゲームのプレイ中には、大脳皮質前頭前野の活動が低下する」という知識が流布しているようですが、実際には、テレビゲームの種類によってテレビゲームのプレイが脳活動に与える影響は異なることが知られています。
片寄研究室心理計測グループでは、ゲームのプレイヤーの
"熟達度" に注目して、熟達度による脳活動の相違を、近赤外線分光法 (NIRS)
を用いて検討しています。この研究によって、初心者が熟達者に至るまでの過程が明らかになることが期待されます。
Fig.
1は、初心者・中級者・熟達者がテレビゲームをプレイしている時の脳活動を示します。シューティング・ゲーム (ST)、リズムアクション・ゲーム (RA)
のいずれのゲームにおいても、初心者と中級者の脳活動が低下傾向にあるのに対して、熟達者(国内ランキング入賞者)の場合には脳活動が上昇する傾向にあります。
Fig. 1.
熟達度別・ゲーム種別のテレビゲーム・プレイ中の前頭前野の脳活動.1つの計測チャンネルの計測値を1つのブロックで表現している(合計24チャンネル).
シューティング・ゲーム
(ST),リズムアクション・ゲーム (RA)
のいずれのゲームにおいても,初心者と中級者の脳活動が低下傾向にあるのに対して,熟達者(国内ランキング入賞者)の場合には脳活動が上昇する傾向にある.