このwebサイトでは、「Internet Explorer 11」はサポートしていません。

共同研究成果

こちらでは、企業様との共同研究例をご紹介します。

私たちの組織のコアコンピタンスは、
感性価値メトリック、感性ソムリエ、デザインナビ、ヒューマンセンシング。
この4つを深化させることで、質の高いビスポークデザインプラットフォームを構築します。

ビスポークデザインプラットフォーム

人間の多様な感性と価値を生み出す創造性との関係をモデル化・インデックス化することで、個人から産業までが利用できる社会資源としてのメトリック(基準)の策定を目指します。

社会の価値観をより豊かで持続的な感性価値社会へと転換する。
それが私たちのSDGsへの貢献だと考えます。

COUTURE(デジタルファッション株式会社)

感性AIのサポートによって、自分らしい服をスマホでデザインし、
注文できるファッションデザインアプリ

COUTUREを用いたワンピースのデザイン

ファッションデザインアプリCOUTUREは様々なプリント柄を検索し、3D型紙上に貼り付けることで、誰でも簡単に衣服のデザイン・発注ができるスマホアプリです。膨大なプリント柄データベースから好みの柄を検索するために感性AIパターンソムリエが利用されています。感性AIでは「きれいな」や「涼し気な」といった感性的な言葉を選ぶだけで、AIがそれらの言葉にあった柄を推薦します。

スタイル特徴による感性AIの構築

関西学院大学感性価値創造インスティテュートが開発した感性AIエンジンは、深層学習器VGG-19から抽出されるスタイル特徴(Gatys, et al. 2016)を用いています。スタイル特徴は画風変換アルゴリズムなどで用いられる画像特徴量であり、柄の感性的質感情報をうまく取り出すことができます。スタイル特徴を用いることで、深層学習の高い表現力を利用しつつ、少量の教師データからでも高精度な感性モデルを構築することに成功しました。感性AIは、花柄を主な対象として構築されましたが、現在はより一般的なプリント柄全般へと対象範囲を広げています。

マスクのオーダーメード(クチュールデジタル株式会社)

感性AIを使って自分だけのオリジナルマスクを作るサービス

「新マスクプロダクト」ウェビナー開催

新しい生活様式で欠かせないアイテムとなったマスク。機能面が注目されがちなマスクをファッションアイテムとして捉え直し、機能性(制菌・触感)・意匠性(ファッション感覚)・道徳性(顔を隠す文化)を追求した自分だけのオリジナルなマスクを作るサービスを、ファッションデザインアプリCOUTURE上で展開しています。

COUTURE上でデザインしオーダーしたマスク

ファッションデザインアプリCOUTUREは、一人ひとりのこだわりや感性をビスポーク(Bespoke: オーダーメード)の仕組みでプロダクトへと反映させるプラットフォームです。そのための基礎技術として、関西学院大学感性価値創造インスティテュートで開発された感性AIパターンソムリエが利用されています。感性AIを活用することで、多様な柄の中から自分の感性に合うものを直感的に選ぶことができ、誰でも簡単に自身の好みに合った特別な一品をつくることができます。

タカシマヤ スタイルオーダー サロン 感性AIソムリエ
(デジタルファッション株式会社、株式会社センチュリーエール)

スーツ用生地のレコメンドシステム

感性的な用語に基づくスーツ柄の検索・推薦

関西学院大学感性価値創造インスティテュートでは、見た目や触り心地などユーザの好みやイメージに合ったデザインを提供するための感性的な印象の定量化・指標化技術が求められるなか、個人に根差した価値を具現化するデザイン支援の枠組み「感性デジタルビスポーク」、個人の感性とそれを喚起する物理特性の関係を効率的に学習し、一人ひとりに適したデザインをAI(人工知能)を使って検索・推薦する「感性AIエンジン」を開発しました。
この研究をもとに開発した生地のレコメンドシステム「感性AIソムリエ」が2019年9月から、髙島屋5店舗の紳士オーダーサロン「タカシマヤ スタイルオーダー サロン」で展開されることになりました。百貨店の常設展開としては初めての試みとなります。

「感性AIソムリエ」は、感性指標と関連付けた印象推定モデルおよびそれを応用した柄検索システムを実装し、求めるイメージや気になるワードを選択することで、直感的に生地を検索することができ、自分だけのスタイルをみつけるニーズに応える新しい接客ツールとして期待されています。また、接客時に収集したデータを“学習”するため、店舗の地域性や顧客層に合った提案が可能になり、常にアップデートされた情報をもとに最適な生地が提案されます。

雪肌精 スノー CC パウダー(株式会社コーセー)

透明感のメトリックに基づく肌どけパウダーファンデーションの開発

「肌どけファンデ」(雪肌精 スノー CC パウダー)。
@COSMEベストコスメアワード2018上半期新作 ベストパウダーファンデ 第2位受賞。

株式会社コーセーと関西学院大学は、「透明感を感じる肌が持つ質感」と関係するワード2000語以上を解析し、「メイク肌における透明感の定義」を導き出しました。定義をもとに、「均一でナチュラルな美膜」という視覚要素と「極上のスキンケアタッチ」という触覚要素が両立するパウダーファンデーションを目指して開発された結果、コーセー社内で話題になるほどの高いクオリティが実現されました。

肌どけファンデ開発ストーリー | 雪肌精 スノー CC パウダー

素肌とメイク肌の比較による透明感の構成要素理解

「メイク肌における透明感の定義」を導き出すために、素肌とメイク肌のそれぞれについて透明感のメトリックを構成し、比較を行いました。その結果、素肌の「キメの整い」の要素がメイク肌の「シルキー感」の要素と対応していることが明らかになり、触感から透明感を高める新コンセプトに繋がりました。

ふきとり時の触感が優れたふきとり化粧水の開発(株式会社ナリス化粧品)

触感計測技術に基づく感性価値を高めた製品開発

ふきとり化粧品の使用感触と価値の心理構造

株式会社ナリス化粧品と関西学院大学は、ふきとり化粧品の価値を意識するまでに至る過程を解明するために、使用シーン毎に主観評価実験を行い、使用者の心理構造を可視化しました。この結果、「肌摩擦感」と「ふきとれた実感」の両立が、ふきとり化粧品の価値の実現において重要であることを見出しました。

ふきとり化粧品の価値を実現する触感計測と開発製品の評価

触感計測装置を用いてふきとり動作における振動を計った結果、「肌摩擦感」と「ふきとれた実感」を評価する方法が確立されました。この触感計測技術の活用により、ふきとり化粧水の価値を高めた製品の開発に成功しました。

アロマオイルによるストレス緩和(アットアロマ株式会社)

COVID-19流行下のStay Homeに起因するストレスが、芳香浴で緩和されることを実証

調査に使用したアロマディフューザーとアロマオイル。

世界中に甚大な影響をもたらしている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行下で、私たちはこれまでの生活様式からの変更を余儀なくされています。とりわけ「Stay Home」の呼びかけにより、出勤、登校、登園を始めとした外出の自粛を求められ、テレワークや、休校・休園中の子どもの対応などを理由に、自宅で家族と過ごす時間が増加しました。この外出自粛による在宅時間増加に伴うストレスの増大が大きな問題となっており、一刻も早い対応策が求められています。このストレスの原因として、例えば職場で働いていた人が緊急事態宣言を機に在宅で働くことになり、家庭と仕事が同じ空間に混在する状況が生まれるなど、以前とは質的に異なる特殊な状況で、新たなストレスを感じていることが考えられます。

関西学院大学感性価値創造インスティテュートは、在宅で生活に採り入れられるストレス緩和の方法としてアロマセラピーに着目し、アロマ空間デザインや香りによるブランディングを手掛けるアットアロマ株式会社と共同で、「新型コロナウイルス感染症流行下におけるストレス要因とアロマオイルの心理的効果の実証実験」を行いました。

4つのグループ毎の芳香浴前後における気分状態の比較によるストレス緩和の効果

緊急事態宣言下にあった2020年5月、外出自粛中の方々の自宅に、芳香浴のための機材をお送りし、生活に採り入れていただくことを依頼しました。
アロマ使用時の状況の分析から、4つのグループ(A仕事専心グループ・B葛藤(子ども)グループ・C葛藤(家事)グループ・D活動後グループ)に分類して結果を解析しました。いずれのグループも、芳香浴の前は活性度・安定度が低く、ストレスの高い状態にありましたが、芳香浴の後は活性度・安定度とも上昇し、ストレスが緩和されました。特に、外出自粛要請によって家庭内で仕事をすることとなり、育児や家事との両立に葛藤を感じた「葛藤(子ども)グループ」・「葛藤(家事)グループ」は、ストレスが高い傾向にありますが、芳香浴によって気分が肯定的に変化したことがわかりました。

オフィス空間における快適感の指標化(三菱電機株式会社)

オフィス空間における快適性の構成要因と、その個人差を解明

オフィス空間における快適間の個人差の3タイプ(内的タイプ、バランスタイプ、温熱タイプ)

三菱電機株式会社と関西学院大学は、オフィス空間における快適感の構成要因を明らかにするため、回答者に即時回答を求める経験サンプリング法と、回答者の評価構造を分析するための評価グリッド法を組み合わせた調査を行いました。その結果、快適性を構成するこれらの要因には、従来検討されてきた温熱要因だけでなく、複数の要因が関連しており、また人によってそれらの要因の影響力が異なることを実証しました。これらの知見は今後の製品開発に活用され、エアコンなどの機器単体だけでなく、ビルディングマネジメントシステムへの適用も想定されています。

日刊工業新聞(ニュースイッチ)

感性評価サービスの開始(株式会社住化分析センター)

感性指標化技術の企業への技術移転

株式会社住化分析センターにおける分析サービス対象

これまで関西学院大学において蓄積してきた感性指標化技術を、株式会社住化分析センターに対して技術移転を行い、株式会社住化分析センターの新しい分析サービスとして2020年4月に上市しました。株式会社住化分析センターはこれまで物理、化学分析を強みとして分析サービスを提供してきました。これらの分析に感性評価サービスを組み合わせることで、開発方向の提示や、望む質感を実現するための物性の導出など、モノづくりの支援を行うことが可能です。人が接する製品、材料、サービスすべてを対象に、事業を3次元的に拡大するためのサポートが可能です。

株式会社住化分析センターとの共同研究による介護椅子の感性評価

実際に関西学院大学と株式会社住化分析センターとの共同研究で、介護椅子(株式会社アイケアラボ社製)の感性評価を行いました。評価結果は製品の改良指針として活用され、該当製品は2019年8月に福祉用具認定を受けています。