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ご挨拶

関西学院大学「感性価値創造インスティテュート」では、産業や生活環境における新たな感性価値を創出するため、科学・技術・芸術を融合した新しい方法論の研究を行っています。豊かで持続可能な社会の実現には、質的な発展が不可欠であり、物質的価値から感性価値へのパラダイムシフトが必要です。生活シーンでのわくわく感や快適感、また製品の高級感や特別感といった人の気持ちや感じ方に内在する価値の本質を探求し、“感性価値”として定義し、拡張し、付加価値を生み出す感性価値社会を目指しています。
これまで、関西学院大学「感性価値創造研究センター」として国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)のセンター・オブ・イノベーション(COI)プログラム「感性とデジタル製造を直結し、生活者の創造性を拡張するファブ地球社会創造拠点」に参画し(2013年度~)、個人に根差した価値を具現化する「ビスポークデザインプラットフォーム」の実現を目指した研究に取り組んできました。

この研究は4つのコアコンピタンス

  • 感性を指標化し個人ごとにモデル化する「感性価値メトリック」
  • 感性と物理量の関係のモデル化によって感性を満たすものづくりを支援する「感性ソムリエ」
  • デザインプロセスを構造化し、個人が自ら価値を具現化する活動を支援する「デザインナビ」
  • 個人の心的状態を非接触で測定する「ヒューマンセンシング」

を深化させることで、人間の多様な感性と価値を生み出す創造性とをモデル化・インデックス化し、産業から個人までが利用可能な社会資源としてのメトリックを策定することを狙いとしています。

同時に、金属、自動車、電機、機械、化学、材料、光学、化粧品等の多くの業界の皆様との共同研究を通して、実社会の現場における様々な課題に取り組み、方法論の有効性を検証するとともに、技術の多様化を図ってきました。

こうした産官学連携における研究成果が評価され、関西学院大学の長期戦略「Kwansei Grand Challenge 2039」である「核となる研究群制度の構築」の下、関西学院大学「感性価値創造インスティテュート」が2020年1月に正式に発足しました。

今後も、AI・IoT・ビッグデータ時代におけるビスポークデザインプラットフォームとして、現場の良質なビッグデータから社会の変革に繋がる戦略を連続的に生み出していく多彩なオープンイノベーションの場を目指します。そのためには、さまざまな企業の皆様との共創が必須であり、新しい課題に一緒に取り組ませて頂きたいと願っています。そのことが、社会の価値観を転換し、豊かで持続可能な社会の実現、すなわちSDGsへの貢献を果たすと考えています。

感性価値創造インスティテュート
所長 長田 典子