感性指標を用いた介護椅子の評価
立ち上がったり座ったりすることは日常生活において必要不可欠ですが,体力の低下した高齢者や,身体の不自由な人にとってこれらの動作は困難です.そのため立ち座りを支援する機能をもった介護椅子が開発されていますが,これらの椅子に対する評価は動力学的な観点からのものが中心で,ユーザの感情的な側面からは十分に注目されていません.したがって本研究では,介護椅子使用時に喚起される感情に基づく介護椅子の評価手法を開発しました.実験結果から,介護椅子使用時には様々な感情が喚起され,これらの感情によって介護椅子の評価が異なることを明らかにしました.この結果は,感情指標を用いて製品の強みや弱みを明らかにできることを示しています.((株)住化分析センター, (株)アイケアラボ,中後大輔准教授との共同研究)
Publications
大図佳子・杉本匡史・長田典子 (2019). 高齢者を対象にした介護椅子の評価尺度の作成とそれを用いた評価, 日本感性工学会春季大会, 3E04.
杉本匡史・大図佳子・長田典子 (2019). 介護椅子使用場面における感情喚起パターン~領域固有の感情の指標化と それらの感情を用いた製品評価~, 電子情報通信学会技術研究報告, 118(493), 57-62.