酸化チタンにおける質感表現の高精度化

酸化皮膜を有するチタンは,薄膜干渉による色が様々に変化し,その多様な意匠性から各種応用への注目が集まっております.そのため,酸化皮膜の干渉色や質感をシミュレーションで正確に表現することができれば,デザイン支援につながると考えられます.これまで,酸化皮膜を有するチタンの干渉色シミュレーションは鏡面反射方向の限られた干渉のみを扱っており,実際に三次元構造物に適用した場合には色の見え方を十分に表現できないという問題がありました.そこで本研究では,チタン表面の微細構造によって発生する拡散反射方向での干渉色を表現するため,ハーフベクトルベースの薄膜干渉モデルを提案しました.モデルから得られた分光反射率と計測結果の分光反射率を用いて色差を算出した結果,目標とした許容色差4級以内に収まることが明らかになり.また実際にCG表現を行うことで,モデルの妥当性を確認しました.(新日鐵住金(株)との共同研究)

Publications

藤井宏樹・飛谷謙介・谿雄祐・亀井光仁・長田典子・赤木俊夫・髙橋一浩・山村咲弥 (2017). ハーフベクトルベースの薄膜干渉モデルによるチタンの色表現, ビジョン技術の実利用ワークショップ (ViEW2017)講演論文集, 49-55.

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