モノづくり版円環モデルの作成
専門的な知識や技術が必要となるパーソナルファブリケーションから,知識や技術を持たない児童が参加するような工作やお絵かきに至るまで,私たちは自発的に様々なモノづくりを行います.モノづくりにおいて,「作る喜び」のようなポジティブ感情は当然存在し,私たちをモノづくりに駆り立てるものとして扱われてきましたが,その性質や,モノを作る人の性質による感情の個人差は明らかにされていません.そのため本研究では,モノづくりにおいてどのような感情が喚起され,またそれがモノづくりの熟達によってどのように変化するのかを明らかにしました.実験結果から,モノづくりにおいては満足感に代表されるポジティブ感情が確かに喚起されており,またそのポジティブ感情が熟達に従って分化・複雑化されていくことが明らかになりました.本研究の結果は熟達者の「作る喜び」が初心者に比べて複雑なものであることを示しています.(山本倫也教授との共同研究)
Publications
杉本匡史・山本倫也・長田典子 (2019). 自発的に楽しむモノづくりにおいて喚起される感情-その性質と喚起タイミング-, ヒューマンインタフェース学会論文誌, 21(1), 85-96. [PDF]
道上和杜・杉本匡史・山本倫也・長田典子 (2017). モノづくりを行う人の感情の抽出と喚起要因の分析, ヒューマンインタフェース学会研究報告集, 19(8), 23-28.