時系列テキストデータを用いた感性評価指標の抽出~普遍性と時代性の検討~
従来の研究で,Web上のレビューテキストから感性メトリックを自動構築しました(詳細は「感性メトリック」を参照).しかし,評価対象の感情や印象が定常的であることが前提とされており,実際は一定期間内では普遍的に用いられる感情や印象と,時系列的影響を受けている感情や印象が混在しているという課題がありました.そこで本研究ではWeb上のテキスト内の評価語出現頻度の時系列変化に基づき,普遍性のある感性構造と時系列的影響を受けている時代性のある感性構造の分類に取り組みます.(本研究において普遍性は,ある長期時系列において変動が少なく,時代に関わらず存在する性質と定義され,時代性は,ある長期時系列において一定以上の変動が存在している性質と定義されます.)
評価語出現頻度の時系列変化を状態空間モデルを用いて解析し,得られた変動成分のクラスタリングを行う事で,普遍性のある印象と時代性のある印象の分類を行います.
8年間のファッションニュース記事に対して提案手法を適用した結果,実際のファッションの流行との類似性が示唆され,印象構造の普遍性と時代性の分類が可能であることを実証しました.
Publications
Yamada, R., Hashimoto, S., & Nagata, N (2020). Extracting Kansei evaluation index using time series text data: Examining universality and Temporality, HCI International 2020 - Posters (HCII2020), CCIS 1226, 722-729. [DOI] [PDF]
山田瑠奈・橋本翔・長田典子 (2020). 時系列テキストデータを用いた感性評価指標の抽出 ―普遍性と時代性の検討―, 人工知能学会全国大会(第34回)論文集, JSAI2020, 3Rin437. [DOI]