深層学習を利用したデジタル質感生成システム

プロダクトデザインにおいて質感は物の良し悪しや好ましさを評価,判断する上で,形や色,機能と同様に重要な要素の一つです.そのため,近年ではプロダクトデザインの現場において,質感を理解・制御する技術が求められています.そこで本研究では,所望の質感を直感的に実現する枠組みとしてデジタル質感生成システムを提案します.このシステムは ①対象物の質感の数値化,②深層学習を利用した,物理量と質感の関係性を表現する視覚的質感評価モデルの構築,③所望の質感を有する対象物の生成手法の3つの要素技術で構成されています.本システムによる質感操作を施した樹脂板サンプルを用いた効果検証実験の結果,操作意図通りの印象変化を確認しました.本研究によって得られる成果は,直感的に素材の質感を表現することが可能になるという点で,プロダクトデザインにおける質感表現の高度化・簡便化に寄与するとともに,質感に対する人間の認知機序の解明の一助になり得ます.((株)本田技術研究所との共同研究)

Publications

Takemoto, A., Tobitani, K., Tani, Y., Fujiwara, T., Yamazaki, Y., & Nagata, N. (2019). Texture synthesis with desired visual impressions using deep correlation feature, 2019 IEEE International Conference on Consumer Electronics (ICCE), 739-740. [PDF]

飛谷謙介・谿雄祐・山﨑陽一・井村誠孝・長田典子・楠見昌司 (2018). 感性に響く質感創生手法の検討, 公益財団法人自動車技術会2018年春季大会学術講演会講演予稿集, 20185136.

山﨑陽一・谿雄祐・飛谷謙介・井村誠孝・長田典子・楠見昌司 (2018). 感性に響く触感創生手法の検討, 公益財団法人自動車技術会2018年春季大会学術講演会講演予稿集, 20185137.

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