通信ネットワークに関する研究開発
インターネットの制御に関する研究
- P2Pネットワークにおけるオーバーレイネットワーク構成
- IPネットワーク上に仮想的に構成されるオーバーレイネットワークと呼ばれるものの制御方式について研究開発している.これは,P2P(Peer-to-Peer)通信の技術基盤の一つでもある.本研究室では,グラフ理論の知見を利用し,性能の高いオーバーレイネットワーク制御アルゴリズムを研究している.
- サーバ負荷分散ルーティング制御技術
- サーバへのアクセス負荷の軽減や通信遅延の抑制のために,複数のミラーサーバをネットワーク上に配置し,サーバへのアクセスを適切に振り分ける制御アルゴリズムを研究している.
インターネットの設計に関する研究
- オーバレイネットワークの設計とQoSルーティング
- オーバーレイネットワークを用いた通信において,特定のノードに負荷が集中するという問題がある.この問題を回避し,さらに信頼性を高めるためのオーバーレイネットワーク設計法,オーバーレイネットワーク上の通信経路設計法などを,分散システムの観点から研究している.
- 信頼性の高い大規模ネットワーク設計法
- 特に大規模プロバイダの基幹ネットワークにおいては,高い信頼性に加え,故障時の影響やその伝播の抑制など様々な条件を満たす総合的な設計が必要である.そのための設計法について研究している.
インターネットの性能評価に関する研究
- サンプリングに基づくフロー統計推定法
- インターネット上を流れるデータは膨大であり,その状況をすべてモニタリングすることは非現実的である.しかし,通信品質を高めるためには,ネットワークの状況を把握することが必要不可欠である.本研究室では,通信のある種の統計情報をサンプリングという方法によって推定する方法について研究している.図は,サンプリング確率を変えても(1/Nの確率でサンプリング),提案アルゴリズムによってフローサイズ分布が良く推定できていることを示している.
- ネットワーク状態推定法
- インターネット全体の形状や混雑状況は一元的に把握されていない.ある種のサンプリングによって,これらを推定する方法について研究している.