トップ 卒業後の進路 社会で活躍する卒業生 河本 健作

社会で活躍する卒業生

製造業で情報科学の知識を活かしていくと、
“新しいもの”を生み出す喜びに出会える。

情報科学を活かし、工場の生産設備を開発。

情報科学を学んだ人の就職先として、真っ先に思い浮かぶのはIT企業でしょう。しかし、製造業においても情報科学系の知識を持った技術者が求められており、そこに自分の活躍できる場があると感じました。情報科学の専門知識を強みとして活かしながらも、他のさまざまな技術も経験することで、視野や技術の幅を広げたいと思ったのです。

現在は、自社工場で使用している生産設備(電子部品の製造に使われるセラミックシートなどを搬送して電極を塗布したり、高速・高精度に積層したりする産業ロボット)の開発をしています。一つの生産設備全体の制御を任され、機械設計や商品開発の担当者と共にどのような仕様の設備を開発するか検討し、期日までに決められた予算内で実現させなければなりません。設備開発が完了したら工場の生産工程に出荷して現場での立ち上げを行い、仕様確認や品質確認の最終チェックを行い、工場の製造担当者に引き渡しまで行います。

“最先端のものづくり”にかかわれる喜び。

近年は商品の高機能化、高精度化に伴い、高度な制御やデータ処理が要求されるようになってきています。また、新商品のリリース頻度の短縮化や新規分野への参入によって開発期間は年々短くなってきており、正確に、かつ効率的に高品質なソフトウェアの開発を行わなければなりません。しかし、情報系技術の専門知識を持った人は社内でも少なく、私が情報科学科で学んだソフトウェア設計手法やデータ処理手法が強く求められているのを感じています。

この仕事の魅力は、最先端の技術や、世界で誰もやっていないような技術開発に携われること。職場には機械や化学、電気などの専門知識を持った方がいて、さまざまな知識が要求されるので、技術者として多くの刺激を受けています。また製造業の魅力として、自分のかかわった商品が世の中に出荷され、自分の使用しているスマホや電気製品に搭載され、身近に触れられることが挙げられます。

大学院の研究や学会発表で、多くを学んだ。

私は大学で基礎的な情報科学に関する知識を学んだだけでなく、より専門性を深めたいと思って大学院に進学しました。大学院では、大学で学んだ知識を活かして自分でテーマを設定し、より高度な研究をすることができます。そうした研究や学会での発表などを通じて、論理的な物事の考え方や課題設定・課題解決方法、論理・資料の組み立て方を学ぶとともに、どのような表現をすれば相手に伝わるのか、他分野の専門家との交流の仕方も学ぶことができました。これらの経験は、研究開発テーマを設定など今の仕事を進めていく上で活かすことができています。

情報科学科にはさまざまな分野の専門知識・経験をお持ちの先生方がいて、専門的な知識を身につけながら研究に取り組めます。同じ分野で学ぶ学生・研究者と交流することはいい刺激になりますよ。みなさんも情報科学科に入学したら、自由に使える時間が多い学生のうちに、学会発表や他大学・企業との交流の機会にも積極的に参加してさまざまな技術に触れてみてください。

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