#author("2020-11-14T21:26:37+09:00","default:tutimura","tutimura") #author("2020-11-15T16:21:14+09:00","default:tutimura","tutimura") [[Cygwinでデバッグ]] #contents ** エラーの出ない場合 [#jdcd6295] *** デバッグライト [#za88de3a] プログラムの動作の詳細を確かめるために、変数の値を表示させるのは、どの言語にも通用する、プリントデバッグと呼ばれる、もっとも基本的な手法です。この変数表示のプリント文のことを「デバッグライト」(debug write) といいます。 デバッグライトには、いくつかコツがあります。 - 変数の値の変化する後や、条件の成り立った直後、関数に入った直後などに表示させます。 - 表示形式は "関数名: 変数名=値, 変数名=値" のような形式が好まれます。(関数名の部分は、C99からは __func__ というマクロを用いると便利です。) - 表示形式は "関数名: 変数名=値, 変数名=値" のような形式が好まれます。(関数名の部分は、C99からは __func__ という特殊な変数を用いると便利です。) - 最終的には不要になるコードですが、削除してしまわずに、コメントにして残しておきます。そうすることで、次に改造するときの役にも立ちますし、プログラムのこの部分が間違いやすいという目印にもなります。 /* 1からn の合計を求める */ int sum(int n) { int ret = 1; // 初期値がおかしいのだが... for (int i=1; i<=n; i++) { ret = ret + i; printf("%s: i=%d, ret=%d\n", __func__, i, ret); // デバッグライト } return ret; } このようなプログラムを実行すると、 sum: i=1, ret=2 sum: i=2, ret=4 ... と表示されて、ret の初期値のおかしいことに気付けるでしょう。 メモリの不正アクセスなどでプログラムが中断される場合には、プリントしたはずの文字が表示されないことがよくあります。C言語のライブラリでは、処理の効率化のために、表示する内容は一旦バッファに蓄えてから、あるタイミングでまとめて表示する、といったことがなされています。不正終了した場合は、バッファにたまったまま表示されませんので、対策が必要です。いくつか方法があります。 - fflush(stdout); で強制的に表示させます。(「フラッシュする」と言います。) - fprintf(stderr, "sum: i=%d, ret=%d\n", i, ret); と標準エラー出力を用いるとバッファリングされないことが多いです。 - printf("...\n"); と改行を含めると、このタイミングでフラッシュされることが多いです。 しかしながら、メモリを破壊しているような場合には、直後に停止するわけでもなく、printf()1つ追加するだけで動作が変わることもありますので、「これが表示されたから、ここまでは正しく動作している」というのがあてにならないこともママあります。