概要
故意に知っていることを隠したりそれを見破れるような状況を扱うために,各
エージェントが自分の知識と相手の知識の予測をもち,これらを議論フレーム
ワークを使って表現した対話モデルを考える.不正直な発言を含む対話プロト
コルを定義し,この対話モデルを実装して評価実験を行う.その結果,対話の
勝敗は各エージェントが持つ知識に依存していることが明確になった.また,
不正直な発言をすることや相手の知識を予測することによって,説得を成功さ
せたり,不正直な発言を見破ったりする機会が増えることが確認できた.さら
に,評価実験の結果を解析して,新たな戦略を考案した.この戦略を取り入れ
ることで,説得に成功する対話や不正直な発言を見破る対話を増やすことがこ
とができた.
発表論文
"不誠実な論証を扱う抽象議論フレームワークに基づく対話モデル,"
人工知能学会第31回全国大会,
http://www.ai-gakkai.or.jp/jsai2017/proceedings, May, 2017.
"Evaluation of Dishonest Argumentation Based on an Opponent Model:
A Prelimary Report,"
Proceedings of the 10th International Conference on Agents and
Artificial Intelligence (ICAART2018), pp.268--275, January, 2018.
"不誠実な論証を扱う対話モデルの評価及び説得戦略の考察,"
人工知能学会研究会資料, SIG-KBS-B509, pp.1-6, March, 2018.