関西学院大学理工学部情報科学科
片寄研究室 




パフォーマ−のジェスチャを計測し,その信号に対して,各種信号処理を行ない,制御信号として,音響,映像,照明,アクチュエータなどの各メディアを変化(オンオフ/モジュレート)させることによって実現されるマルチメディア時代の芸術


実例

<竹管の宇宙>

1993年より,作曲家/尺八演奏家の志村哲氏らと共同で制作。センシング情報に基づいて,演奏する計算機(バーチャルパフォーマー)を制御したり,あるときは,バーチャルパフォーマーとの掛け合いを行うことで,演奏者は単なる尺八奏者という枠を超えたパフォーミングアートを実施。第3作および第5作についてはそれぞれICMC'94,ICMC'96 のコンサートで上演し,好評を得た.第4作からはサンプラ,エフェクタ,ミキサのリアルタイムコントロールに加え,CGとビデオ映像のリアルタイム操作を実現。


<DMIプロジェクト「LIFE ON ICE>

DMI(ダンス・マルチメディア・インタラクション)プロジェクトは新しい舞台表現を実験と感性(自己表現)の研究のために1994年から振付師の高安マリ子氏らと取り組み始めたプロジェクトである.機械の決定したシーケンスに人間が合わせるのではなく,パフォーマ−が音響・映像・照明などのメディアおよび時間をコントールしており,極めて緊張感の高い舞台が展開される.1995年11月には第一回の実験公演「流れる水の中」,1996年11月には「LIFE ON ICE」の舞台公演.


<共鳴管>  佐藤 知裕 (2000)
       当時 和歌山大学 片寄研B4

共鳴管はインターネットで発信・受信される双方向の情報のやりとりによって、インタラクティブに操作され変化していく環境を映像・音として表現したネットアート作品である。
この作品はインターネットを介して離れた場所にいる2人が、双方から操作することによって、奏でられるメロディー、ハーモニーが様々に変化を表すことに主点を置いている。その変化とは2人の人間のインタラクティブ な操作を基点とするものであるが、制御性と偶発性が同時に存在する。操作によって即興的に発生する音と同時に、連鎖的に思いもよらない音が発生し音楽が生 まれる。自らの操作だけでなく相手の操作によっても同時にこの変化が発生する。一方の操作のみではハーモニーは生まれないが、両方が操作することによって 複雑にハーモニーが変化する。それはお互いのインタラクションの密度を象徴する。
 
■BBCCネットアート&映像フェスタ2000
 ネットアート部門最優秀作

<Word Painting>  宮道 毅 (2002~3)
       当時 和歌山大学 片寄研B4

VJ (Visual or Video Jockey)とは,動画・静止画を実時間で操作するパフォーミング・アート,パフォーマのことである.
通常,クラブ等でのVJプレイでは,一人のVJが映像空間を演出するというスタイルをとるが,この作品では,その空間を共有する視聴者がケータイのmail, webを用いて,能動的に映像空間の演出に寄与する.