画像情報処理実習(2023年度)

担当教員:角所 考

1.授業の目標

本授業と並行して開講される「画像情報処理」で学んだ様々な画像処理の手法の中で,代表的な手法を画像処理ライブラリOpenCVを用いてC++言語で実装し,様々な性質を持った画像に適用してみる実習を通じて,どのような画像に対してどのような処理を実現したい場合に,どのような手法がいかなる理由で有効なのか,更なる性能改善のためにはどのような工夫が必要なのか,といった事柄について,実験的手段に基づく独自の分析ができるようになることを目標とします.

2.授業の概要(予定)

本実習では,単に様々な画像処理のプログラムを実装することが目的ではなく,実装した手法がどのような性質を持った画像に対して有効なのか(あるいは有効でないのか)を自分で考えながら,実際にそのような画像に適用してみることで,個々の手法の特徴や問題点について分析や考察を行うことを目的としています.
さらに,学んだ内容を基に自分の興味のある処理の実現を試みる自由制作の機会も設けています.

画像処理の対象としては,USBカメラで撮影される実世界の映像を利用し,静止画よりも動画像の処理に力点を置いています.

各回の実習内容としては概ね以下のようなものを予定していますが,実習自体の進捗状況や,並行して開講される「画像情報処理」の進捗状況に応じて,適宜順序を変更したり,内容を一部省略・追加する可能性があります.

1.カメラ入力と表示
2.色情報の変換
3.色情報に基づく領域抽出
4.モルフォロジー処理
5.画像の差分に基づく領域抽出
6.性能評価実験(1)
7.エッジ特徴の抽出
8.部分画像の切り出し
9.テンプレートマッチング
10.画像の回転・スケーリング
11.性能評価実験(2)
12.自由制作(1)
13.自由制作(2)
14.自由制作(3)

上の演習内容には,監視カメラによる侵入者検知やテレビ番組のクロマキー合成等で利用される基本的なテクニックも含まれています.
これらの処理を利用してUSBカメラの映像中に現れる自分の顔などの物体を検出すると共に,その動きを追跡したり,画面中の一部分を他の画像に置き換えて合成したりするような処理の実現を試みます.

* 課題ページ

3.受講するにあたっての注意

4.成績評価

 授業への一定以上の出席を前提として,実験報告書の内容に基づいて総合的に評価します.


最終更新日 2023年4月13日