概要
本研究は,地質構造に関する推論の体系化を目的として,比較的単純な地質構造を対象とする定性的な
記号表現を定め,この表現上で複数の局所的な地層データが与えられたとき,それらが成す褶曲構造に
関する推論およびデータ同士をつなぐ地層の傾きや重なり方に関する推論手法を述べる.さらに,不整
合面を含む地質構造も扱えるように提案手法を拡張する.必要な性質のみに着目した定性的アプローチ
をとることにより,焦点をしぼった推論をすることが可能になる.また,論理的に扱うことによって,
推論結果に説明をつけ,手作業での見落としを回避できるようになる.このことから,提案手法は地質構造の
解析における新しく有望なアプローチを与えると考えられる.
発表論文
"定性表現から地層を描画するプログラムの設計と実装,"
人工知能学会第38回全国大会, May, 2024.
"定性的形状に基づく2次元平面上の曲線分の表現およびその連結に関する推論,"
人工知能学会研究会資料, SIG-FPAI-128, pp.57-62, March, 2024.
"Spatial Representation and Reasoning about Fold Strata: A Qualitative Approach,"
15th International Conference, ICAART 2023, Revised Selected Papers.
pp. 244-266, LNCS 14546, Springer, March, 2024.
"Toward Reasoning About Geological Structure Using Symbolic Expression,"
The 16th International Conference on Agents and Artificial Intelligence (ICAART2024), Poster, February, 2024.
"Qualitative Spatial Representation and Reasoning about Fold Strata,"
Proceedings of the 15th International Conference on Agents and Artificial Intelligence (ICAART2023),
pp. 211-220, February, 2023.
"地層の傾きに関する3次元上での定性的な推論について,"
第22回情報科学技術フォーラム, September, 2023.
"地層データの定性表現とその上での推論方法について,"
第21回情報科学技術フォーラム, September, 2022.