概要
本研究では,形状の変化に着目した定性空間表現を提案する.
生命科学における細胞分裂や臓器形成等の発生過程でみられるような形状変化を定性的に表現し,
発生生物学への応用を目指す.
発生過程においては,へこみができる,接点ができる,分裂するなどの重要な特徴がみられる.
本研究では,そのような特徴を表現するために,Leytonの提案したProcess-Grammarの拡張を行った.
形状を記号で表現し,形状が変化する様子を表す変換規則を形式化することによって,
変化の起こる理由を提示したり,起こりうる変化を推論したりすることが可能である.
さらに,拡張した手法について,平面上の図と記号表現の関係について考察する.
特に,二次元平面上で交差することなく描ける図に着目し,対応する記号列の性質を提示し証明を行う.
また,交差する図しか描けないような記号列と交差することなく図が描ける記号列を分類し,
交差することなく図が描ける場合の記号列の条件を示す.
発表論文
"形状変化に着目した定性空間表現の提案," 人工知能学会第32回全国大会,
http://www.ai-gakkai.or.jp/jsai2018/proceedings, June, 2018.
"Qualitative Shape Representation and Reasoning Based on Concavity and Tangent Point,"
QR'18 - 31st International Workshop on Qualitative Reasoning (QR2018),
https://drive.google.com/open?id=1LcZOWPKEyoaIiDOhSel_5fl-QOTX92AB,
July, 2018.
"Operations for Shape Transformations Based on Angles,"
Proceedings of the 11th International Conference on Agents
and Artificial Intelligence (ICAART2019), pp. 576-583, February, 2019.
"Process-Grammarに基づく形状変化の記述方式の提案," 人工知能学会第33回全国大会,
https://confit.atlas.jp/guide/event/jsai2019/proceedings/list, June, 2019.
"Towards a Qualitative Reasoning on Shape Change and Object Division,"
14th International Conference on Spatial Information Theory (COSIT 2019),
pp.7:1-7:15, LIPICS Vol. 142, ISBN 978-3-95977-115-3, September, 2019.
"接点を持つ閉曲線の記号表現の提案とその性質について,"
人工知能学会研究会資料, SIG-FPAI-B902, pp.34-39, January, 2020.