概要
定性空間推論の枠組みを用いて、地形の特徴を記号表現する方法を提案し、そ
れを使った推論方法について述べる。定性空間推論は、厳格な数値データを使っ
たアプローチに比べてデータ量や計算時間を抑えることができる。これまでの
定性空間推論の研究は 2 次元上での対象を応用としており、高さを考慮したも
のはほとんど行われていない。本研究では、まず、対象となる地形を真上から
みた 2 次元図形に対して、それを矩形で構成される面で分割し、点、線、辺、
面をオブジェクトとしてとらえ、それらの関係を記述する。次に、隣接する面
同士の相対的な傾きを記述する。これによって段差や傾きの相対的な大きさや
方向が推論できる。この表現を使って段差の有無や上り下りの回数等、高さを
考慮した経路探索ができることを示す。また、単位となる面を三角形も含むよ
うに拡張することで表現できる図形の範囲を拡大し、記号表現がある条件を満
たしていれば山等の特殊な地形を表すと推論できることを示す。
発表論文
``定性空間表現上での位置の高低を考慮した経路探索システム,''
人工知能学会第28回全国大会, June, 2013.
"A Qualitative Framework for Deriving a Terrain Feature,"
27th International Workshop on Qualitative Reasoning (QR2013),
pp.85-91, August, 2013.
``相対的な位置の高さを扱う定性空間表現と推論,''
人工知能学会研究会資料, SIG-FPAI-B304, pp.1-6, March, 2014.