概要
現実的な議論を表現可能なモデルを提案・実装し,その性質とその上での議論戦
略について考察を行う.論理学に基づく議論の研究では,一般に,議論の勝敗の
静的な判定を行うに過ぎない.しかしながら,現実の議論では議論者の知識が動
的に変化していくため,静的な判定のみでは不十分である.そこで本研究では,
Dung のArgumentation Framework に基づく形式で議論を定義した上で,知識ベー
ス更新を伴う議論木の実行モデルAPKC を提案する.そして, APKC のもつ性質
をいくつか示し,それらを利用した議論戦略を提案する.また,議論の実行を考
えない場合の勝敗(静的な勝敗)と,議論の実行を考える場合の勝敗(動的な勝
敗)の関係についても言及する.
発表論文
``信念改竄によるばれない嘘の生成,'' 人工知能学会第21回全国大会, June, 2007.
``信念改竄によるばれない嘘の生成,''
関西学院大学情報メディア教育センター 情報科学研究, No.22, pp.3-22,
March, 2008.
``信念集合の変更を伴う議論,'' 日本ソフトウェア科学会第25回大会, September, 2008.
``Argumentation with a Revision of Knowledge Base,''
Sixth European Workshop on Multi-Agent Systems, January, 2009.
``知識変更を伴う議論システム,'' 知能ソフトウェア工学研究会, March, 2009.
``Argumentation System with Changes of an Agent's Knowledge Base,''
21st International Joint Conference on Artificial Intelligence (IJCAI09),
pp.226-232, July, 2009.
``Argumentation System Allowing Suspend/Resume of an Argumentation Line,''
Seventh International Workshop on
Argumentation in Multi-Agent Systems (ArgMAS 2010), pp.145-162, May, 2010.