LPSO13Report

titleLPSO構造における添加元素の影響
author西谷滋人
目的LPSO構造は,多くのMg合金で存在が確認されている.このような長周期構造がなぜ安定してできるのか不明である.我々は,LPSO構造を構成する積層欠陥と溶質原子のそれぞれが支配するLPSO構造生成のシナリオをたてて,どれだけ可能性があるかを第一原理計算によるエネルギー値から検討してきた.今年度は,i) 溶質原子の規則化が起こる可能性,ii) 積層欠陥の起こりやすさ,の2点に対するモデルをたて計算を行った.
方法第一原理計算には,VASPを用いた.交換相関相互作用には,GGA PBE を,疑ポテンシャルには, PAW(Projector Augmented Wave) 法を用いた. 全ての計算においてエネルギーの収束条件は 10−5 eV,フォースの 収束条件は -0.02 eV/A^2 を用いた.本研究では,
結果

積層欠陥同士の相互作用を抑える為に2H構造を2×2×9に拡張し,c軸方向に18層のモデル(72原子)を用いた.Zn,Yは2H-Mgの9層目に配置した.pureなMgとZn,Yを導入したMg合金のそれぞれの10〜18層目の原子を[1-100]方向に少しずつずらして,図1のようなcサイトが生成されるまでの積層欠陥エネルギーを計算した.この計算より,pureなMgとZn,Yを導入したMg合金のエネルギーのピーク比較した.

結果,pureなMgと比べZn,Yを導入したMg合金の積層欠陥エネルギーのピークが約4.0meV/Å(約65mJ/m2)ほど小さかった.この結果から,積層欠陥部にZn,Yといった溶質原子が濃化していると積層欠陥が生じやすいとかんがえられる.

  • 規則化が起こってないかを調べる.多くのconfigurationで調べたが,特に顕著なエネルギーの安定位置は見られなかった.
  • 積層欠陥の入りやすさを,溶質原子のある・ナシで検討.
Last modified:2016/07/19 12:42:18
Keyword(s):
References: