KeplersLaws



概要

太陽が道を示し,星がその道を辿る

という言い方でKeplerは太陽の周りの惑星の動きを三つの法則にまとめた.

  1. 惑星は太陽を焦点の一つとする楕円軌道を回る(楕円軌道の法則)
  2. 惑星が一定時間に掃く面積は一定である(面積速度一定の法則)
  3. 惑星の軌道半径と周期には一定の法則がある(調和の法則)

これが物理の根幹をなす,力学の法則の始まりである. ここで面白いのは,三つにまとめて,ニックネームをつけたことかな. 複雑な概念を覚えるときにいくつかの要素をまとめて覚えると頭に残りやすく, また,キーとなる言葉を覚えるとそこから概念をたぐり出すことができます. 楕円軌道も面積速度も私は初めて高校の物理で習いました. それを丸暗記することがまずは概念を理解する第一歩なんですね.

さて丸暗記より強力な方法として,これを視覚化するとサイトのようになります. ここで注目してほしいのは,

  1. 楕円軌道,
  2. 太陽を焦点の一つとする
  3. 面積速度が一定

という言葉の意味をシミュレーションによって示していることです.それぞれが どういう動きに対応するか分かりますよね.

ところが此処には隠れた概念が存在します.それは,

エネルギー

です.物理を理解するのが難しいのは,このエネルギーが わかってないとそのあとの概念を理解することができないからです.

さて,エネルギーですが,この太陽系を模したシミュレーションでは,その様子を仮想的に示すことが可能です. どうです,なんとなくなぜ,

  1. 楕円軌道,
  2. 太陽を焦点の一つとする
  3. 面積速度が一定

になるかが直観的に理解できるような気がしませんか? これにはすこし説明がいります.

このような動きが現実に起こっているわけではないのですが,

惑星の動きを坂を転がる球体に模倣(metaphor)する

ことによって表現しています.縦の方向にエネルギー軸を取るのは, 太陽の重力場が,地球の重力のように下向きにかかっているとmetaphorしています. 科学者が重力井戸とか,宇宙飛行士が地球に落ちていくという感覚を 表現するのと同じです.自転車で坂を転がり落ちる時,加速がついて 速度が上がっていきますよね.そして坂を上る時は逆に速度が落ちていく. そのような感覚を,太陽の重力井戸を惑星が転がっている様子に例えているわけです.

楕円になる,焦点の一つになる,面積速度が一定になる

という現象を一度に表現することが可能です.そして,3次元の空間に つねにエネルギー軸を考えることが物理を理解するのを助長してくれます.

Processingでの実装

このようなシミュレーションが数値計算という学問分野になります.特に微分方程式の差分解法と呼ばれる領域です.実際の実装を考えると以下の知識が必要となります.

Verlet法

  • Newtonの運動方程式
{{dmath 'F=ma'}}
Hiki::PluginException (not plugin method): inline plugin
  • 差分方程式
  • 太陽のforce
    • 万有引力 F=kmM/r^2

玉の動きに

meshの作成

3d cameraの視点操作

レポートのまとめ

以上の項目が典型的な西谷研で必要となるレポートの要点です.

  • 物理
  • 計算(数学)
  • 実装(programming)
  • 視覚化(センス)
  • 概念理解(定着手法,レポートほか)
Last modified:2016/07/19 12:42:17
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References:[Seminar14]