本授業と並行して開講される「画 像情報処理」で学んだ様々な画像処理の手法の中で,代表的な手法を画像処理ライブラリOpenCVを用いてC++言語で実装し,様々な性質を持っ た画像に適用してみる実習を通じて,どのような画像に対してどのような処理を実現したい場合に,どのような手法がいかなる理由で有効なのか,更なる性能改善の ためにはどのような工夫が必要なのか,といった事柄について,実験的手段に基づく独自の分析ができるようになることを目標とします.
本実習では,単に様々な画像処理のプログラムを実装することが目的ではなく,実装した手法がどのような性質を持った画像に対して有効なのか(あるいは有効で
ないのか)を自分で考えながら,実際にそのような画像に適用してみることで,個々の手法の特徴や問題点について分析や考察を行うことを目的としています.
さらに,学んだ内容を基に自分の興味のある処理の実現を試みる自由制作の機会も設けています.
画像処理の対象としては,USBカメラで撮影される実世界の映像を利用し,静止画よりも動画像の処理に力点を置いています.
各回の実習内容としては概ね以下のようなものを予定していますが,実習自体の進捗状況や,並行して開講される「画
像情報処理」の進捗状況に応じて,適宜順序を変更したり,内容を一部省略・追加する可能性があります.
1.画像の入力と表示
2.画素値に基づく領域抽出
3.画像の差分に基づく領域抽出
4.二値画像処理
5.性能評価実験T(1)
6.性能評価実験T(2)
7.エッジ特徴の抽出
8.部分画像の処理
9.テンプレートマッチング
10.性能評価実験U(1)
11.性能評価実験U(2)
12.自由制作(1)
13.自由制作(2)
14.自由制作(3)
上の演習内容には,監視カメラによる侵入者検知やテレビ番組のクロマキー合成等で利用される基本的なテクニックも含まれています.
これらの処理を利用してUSBカメラの映像中に現れる自分の顔などの物体を検出すると共に,その動きを追跡したり,画面中の一部分を他の画像に置き換えて合成
したりするような処理の実現を試みます.
* 課 題ページ
授業への一定以上の出席を前提として,実験報告書の内容に基づいて総合的に評価します.
最終更新日 2025年4月02日