情報科学科 川端 豪 教授
近い将来コンピュータやロボットには、人間と音声で会話する能力が求められるでしょう。私はこうした機械と人間の会話のメカニズムを研究しています。言葉は人間特有の能力であるため、会話するコンピュータの研究は「人間とは何か」という問いに、情報科学の視点から挑むことでもあります。言葉と機械の研究は、人類の本質や起源、そして未来を考えることなのです。
情報科学科4年生 西本 真由香
大阪・府立北野高校出身
私が今携わっているのは脳の研究。人がパズルに挑んでいるときに、脳の血流や活動状況がどんな状態にあるか、NIRSといった、最先端の測定機器で計測しています。こうした研究は将来、認知症の予防や改善に役立つかも。ヒトの能や心を科学の目で捉え、高齢社会の健康に貢献したいですね。
情報科学科 巳波 弘佳 研究室
グラフとは、点と点間を結ぶ線分からなる図形のことです。インターネットなどさまざまなものがグラフでモデル化できます。コンピュータウィルス拡散現象やその対策法の研究にもグラフを使用。グラフの性質を調べ、多くの応用に役立てる研究を行っています。
理工学研究科博士課程前期課程
情報科学専攻 宮本 直幸
広島・県立安古市高校出身
私の専門は人間が感性情報をどう取り扱っているかの研究。他人の顔写真を年齢を伏せて見てもらい、自分よりも年上か年下かを判定する実験を行いました。正解とのずれから、人は平均2歳ほど、自分を若く認識していると判明。この実験は国内外の発表で高い評価を頂き、朝日新聞夕刊に掲載されたほか、仁田記念賞も受賞しました。
情報科学科 高橋 和子教授
人間の知的振舞いをコンピュータにさせる仕組み、人工知能が私の専門です。そのひとつ、電車やエレベータでの事故を未然に防ぐための制御システムは、現在特に企業で注目されていますが、代数や論理をベースとすることで正確な動きを保証します。さらに、コンピュータに状況に応じた的確な判断をさせるような臨機応変なメカニズムも研究中。この研究が進めば、互いに話し合ってルートを分散することで道路の混雑を避ける「交渉カーナビ」も夢ではありません。この分野は夢物語ばかりが語られがちですが、今できることを見極め、社会にどう活かすかを考える発想も大切です。また、研究は簡単に答えが見つかるものほど、その成果も少ないもの。だからこそ、研究に大きな夢を抱く奥野くんのチャレンジに期待しています。
理工学研究科博士課程前期課程
情報科学専攻 奥野 健一
和歌山・近畿大学附属和歌山高校出身
人間の知能に匹敵するシステムをコンピュータ上に実現することが、僕の夢です。その出発点として、論理的思考の核である「推論」について研究しています。たとえば、機械の故障原因を究明する際、人間は多くの情報をもとにさまざまな仮説を立て、さらに経験値も駆使することで、ひとつの見解に到達できます。そんな論理的で柔軟な人間の情報処理をコンピュータに取り込めないか、現在模索中です。そのために、情報科学以外の哲学や心理学も勉強中。完成すれば、設計者の予想もしえなかった知的動作も期待できる点が、先が読めない研究の励みとなります。研究室で指導してくださる高橋先生は、とてもパワフルな先生。ご家庭も大切にしながら、研究にも一切手を抜かない点を、ゼミ生みんなが尊敬しています。