スマートフォンのアプリに励まされて、運動を続けられるようになる!?

健康のために走りたい!でも、一人で走っていても疲れてしまって続かない。どうすれば、続けられる?

ネットワークアプリケーション研究室では・・・ スポーツをより楽しく快適にするシステムを開発。コンピュータ科学をスポーツの分野に応用しようとする研究は、徐々に注目を浴びつつある。従来の競技に勝利するための研究だけでなく、楽しく走れるように工夫を凝らして利用者の運動を促進するシステムや、電波受信状況の悪い山間部でも利用できる登山用ナビゲーションシステムなど、多様なシステムを開発している。(担当教員:北村泰彦教授)

■例えば、こんな研究も行います・・・。

いつでも、どこでも、みんながマラソンを楽しめるアプリ。

当研究室で開発している「バーチャル神戸マラソン」は、Androidスマートフォンの運動促進アプリです。起動してランニングを始めると、GPSによって走行距離を測定し、それに応じてGoogle Map上のキャラクタが神戸マラソンのコース上を移動。まるで神戸マラソンを走っているかのような気分を味わえます。またラップタイムなどの計時機能もあり、トレーニングの分析もできます。

さらに、自分自身や友人と仮想的に競争できる機能も。ランニング履歴をサーバで保存しておくことで、友人と異なる時間にスタートしてもあたかも競争しているように表示することができるので、モチベーションが高まります。この研究は神戸マラソン事務局とも協力関係にあり、神戸マラソン参加者にもアプリを公開して使ってもらいました。

国際的な防災教育を支援したいから、 翻訳サービスで言語の壁を取り除く。

ランナーといっても、これからマラソンを始めようとする初心者から、記録の更新を狙う熟練者まで、その目的や意識は多様です。そこで、私たちは開発したシステムを実際にランナーに使ってもらってシステムを評価し、改善していくという過程を通して、より多くのランナーの役に立つ説得技術を生み出そうとしています。

ランナーに実際に使ってもらってより役立つシステムに改善する。

運動不足の人が増えているいま、このアプリを通してマラソンに対して興味を持つ人が増え、人々の運動促進につながること、そして神戸マラソンがさらに盛り上がることを期待しています。また将来的にはマラソンだけでなく、より広く、健康や省エネにかかわるさまざまな生活習慣を変える説得技術へと、応用範囲を広げていきたいと考えています。

退屈になりがちな屋内での自転車運動にエンターテインメント性をプラス!

室内での自転車運動は退屈で、あまり楽しいものとはいえません。そこで、Googleストリートビューと連動して、室内に居ながらまるで屋外を走っているかのような感覚を得られるシステムを開発。例えば海外など気軽に行けないところもバーチャルで探検できたら、楽しいので強い運動促進効果が見込めるでしょう。このシステムには多様な技術を用いており、壁にぶつかることも多いのですが、完成したときの喜びもひとしおだと思います。

研究のkeywords

スポーツ情報学

コンピュータをスポーツの分野に応用する研究領域のこと。北村研では、マラソン以外に、アメリカンフットボール、登山、サイクリングなどの研究も行っている。

説得技術

コンピュータを用いて人の行動を変える技術。近年は、特に健康や省エネなどにかかわる生活習慣を改善する技術として注目されている。

Android

スマートフォンのOSの一つ。汎用性の高いプログラミング言語であるJavaを用いてアプリを開発することができる。

もっと詳しく知りたい方は、各研究室のページへ……