トップ シラバス(大学院情報科学専攻)
計算幾何学は,1980年代から90年代に急速に発展した,多数の幾何学的対象を計算機によって処理するためのアルゴリズムの理論である.
計算幾何学においては,アルゴリズム理論と,幾何的考察を,効率化のために活用することが中心課題である.この講義は,データ構造とアルゴリズムに関する基礎的知識は前提とするが,計算幾何学の知識を前提とせず,教職に就く学生に役に立つように配慮をした内容とする.
数学的な基礎となる射影幾何学,離散幾何学を説明し,さまざまなアイデアがどのように活用されるか,を交えながらアルゴリズムを紹介する.
ハードウェアとソフトウェアの組合せにより構成されるシステム,特に組込みシステムの設計に関する諸技術について講義する.
具体的には,DSPや組込みプロセッサの命令セットやアーキテクチャ,専用ハードウェアの構成と設計方法論,プロセッサを取り巻くソフトウェア群,DSP用コンパイラのコード生成技術,低消費電力化設計,システムの検証法等について,最新の研究成果を紹介しながら講義する.
データマイニングのための理論と応用に関する事項を学ぶ.
Mitchellのverison spaceの理論を基礎として,多岐にわたるマイニング法を整理するとともに,変量の種類が非常に多い場合の共線性の問題や,人間がマイニング結果を理解するために必要な情報とは何かに関する理解を深める.
また,医療・遺伝子・化学構造を対象としたデータを実際に解析した例について紹介する.
コンピュータに人間の行なう知的振舞いをさせるための知識表現方法と効率のよい推論機構について講義する.
問題を形式的にとらえる手段として代数や論理をもちいたアプローチをとり,このアプローチがシステム設計や検証過程でどのような効果を持つかを述べる.特に時空間要素を含む知識の扱いに焦点をあてるとともに,ネットワークのような分散環境における知識の整合性保持やセキュリティの保証など最近の話題を紹介しながら講義する.
電子・原子レベルから組織レベルまでのマルチスケールに対応した計算手法の解説をおこなう.特に今年度は,「第一原理計算を受講生が実際におこなえるようになる」ことを目標にする.
原子配置,体積,ポテンシャルなどを変えて,種々の手法で計算をおこない,各手法の特徴,限界,精度,スピードなどを比較する.また,得られた結果をつかって,フォノン分散曲線の描画,振動自由エネルギーの計算,線膨張係数などを求める手法を習得する.
21世紀の情報化社会を支えるIT技術は,シリコンとその周辺材料による超高集積半導体回路(ULSI回路)で構成されている.
しかし,ULSI回路は今後10年間に,技術的な限界でその性能の向上が止まると予測されている.この限界の打破のために,本研究では,ULSI回路を構成してきたSi半導体材料,SiO2絶縁膜材料,Al電極材料に代わる新材料を探索し設計する.
(1)不純物の同時ドーピングによる高性能半導体の研究.
(2)ULSI回路の性能向上のための結晶欠陥制御技術の研究.
(3)強誘電体材料の誘電性発現機構の研究.
本講義では,情報理論分野における興味深い話題を取り上げ,講義および輪講を行う.
前半では講義を中心に据え,後半では当分野で後続研究に大きな影響を与えた歴史的論文を輪講することで,情報理論とその応用に関する理解を深める.学部における「情報理論」の講義を受講済みであることが望ましいが,それ以外の知識は前提としない.
インターネットをベースとする分散処理システム,特にWebシステムとその高度化技術を扱う.具体的には,Webシステムとその構成(HTTP,HTML),XML技術,Webサービス(SOAPやUDDI),Semantic Web技術(RDF,OWL,オントロジ),情報検索,情報統合,Webインタフェース,情報エージェント技術など,最新の標準化や研究成果を紹介する.
高速・広帯域なモバイル・コンピューティング環境の実現に向けて,種々のワイヤレス方式が導入されつつあり,また次世代方式の研究開発が進んでいる.
本講義では,モバイル環境での信号伝送の高速化技術について理解することを趣旨とする.様々なモバイル環境での伝送路特性と伝送品質に及ぼす影響,チャネル推定技術,各種マルチパス克服技術について,実験データを織り交ぜながら紹介し,究極のモバイル・コンピューティング環境を実現するための技術的課題について論じる.
離散数学に関する様々な話題を最新の研究成果を紹介しながら講義する.
特にグラフ理論,ランダムグラフ理論,グラフアルゴリズムの分野を中心に話題を選び,グラフマイナーに関する理論をベースにしたグラフに内在する様々な数学的性質のほか,現実のネットワークに関する研究や確率論などと関わって発展しつつあるランダムなグラフの生成モデルとそれらの性質,これらと関連したグラフ上の諸問題とそのアルゴリズムなどを,具体的な実用化技術との関わりも交えながら解説する.
人間にとって直感的で大局的な状況の把握や理解に適した画像処理技術およびメディア表現について講義する.画像情報の認識・理解・表現,加工・生成,伝達・蓄積など広範な分野にわたり,最近の技術動向と応用事例を紹介し,各分野における処理技術の原理を理解し,理論の展開能力や応用力の修得を目指す.
現在の計算機技術の最も重要な応用領域の一つにマルチメディアを活用した人間とコンピュータの対話技術Human Computer Interaction (HCI) がある.
本科目では,リアルタイム画像処理,音楽情報処理,コンピュータ・グラフィックス,インタラクティブ・アート,シミュレーション技術,マルチメディア表現などHCI領域の最新の研究動向を紹介するとともに,関連する国際会議において発表された論文の中から選定したものの講読を行う.
人間とコンピュータの音声によるインタラクションシステムの中核技術である音声認識技術を修得する.
背景音からの音声の切り出し,音声のパターン的特徴の抽出,各種のスペクトル距離尺度,隠れマルコフモデルによる音素のモデル化,文法記述あるいは統計的手法による言語のモデル化,認識精度と処理速度を両立させるための候補探索アルゴリズム,より快適な音声対話を実現するための対話制御など,各領域における先端技術を講義する.
直感・イメージ・感覚といった人の主観的情報をコンピュータで扱うための感性情報処理技術に関して講義する.
統計解析法,学習モデル,シミュレーション法,製品設計,人間計測技術(感覚・生理・心理・脳機能)などについて,最新の研究動向の理解とともに具体的な応用化技術の修得を目指す.
人と人のコミュニケーション特性を理解した上で,情報機器を活用したコミュニケーション支援や望ましい生活情報技術について,技術現状に関する知識を深め,その在り方について熟考する.
ユビキタス関連技術や研究プロジェクトについて最近の研究成果やトピック・技術動向を踏まえて講義し議論を行う.
具体的内容は,オリジナルなユビキタスの概念や,さまざまなユビキタス関連研究プロジェクト紹介,RFID,センサー情報を用いた実世界イベント検索,センサー情報を用いたモノの推定,センサデータ解釈のための知識について,センサネットワークとその課題について,ルーティングアルゴリズム,測位と省電力化,効率的情報収集,振動を用いた測位について,センサデータ・ストリーミングマイニングなどである.
ビジュアルなメディアを用いた人と計算機のコミュニケーションやインタラクションのための様々な技術について,最新の研究成果の紹介も交えながら講述する.
生体を対象とした信号処理を実現する応用数学や,認知科学・ライフサイエンスの知識を人間中心の工学として体系づける手法について講義する.
内容としては,情報工学とライフサイエンス,信号解析,情報表現と脳,ニューロ・コンピューティングとコネクショニズム,身体性と合成知能,ニューロ・ロボットー生体神経回路網の操作,BMI,BCI(脳-機械インターフェース)など多岐にわたる.
本授業では制御の基本となるフィードバック制御の考え方について学ぶ.そのためのシステムの基礎的な表現法と解析法の講義を行い,これらを使った制御系の設計方法について説明する.さらに,理解を深めるためのMATLABを用いた演習も行う.
◇現場の開発者が組込みソフトウェアに関する講義を行います.
リモコン,炊飯器,携帯電話や自動車といった私たちの身の回りにあるさまざまな機器に組み込まれ使用されている「組込みソフトウェア」についての解説を行う.
組込みソフトウェアとはどのようなもので,パソコン向けのソフトウェアとどこが違うのか,高い品質のソフトウェア開発を開発するためにどのようなことをしているかなどを,実例を交えながら説明する.C言語に関する基本的な知識を持っていることが望ましい.