関西学院大学理工学部
人間システム工学科 (2009年4月開設予定)
教員公募案内

2007年4月23日

関西学院大学理工学部では、情報科学を基礎とし人間をトータルシステムとして扱う工学の創出を狙って、人間システム工学科(映像音響システムコースとサイバーロボティクスコースより構成される)の新設を計画しています。文部科学省の設置認可を条件として、6名の教員の公募を行ないますので、新学科の理念に賛同される方のご応募をお待ちします。

以下、公募案内につづき、人間システム工学科の計画の概要を述べます。なお学科の内容は今後変更されることがあります。

1.人間システム工学科教員公募の内容

公募人員 6名
教授、准教授または専任講師(経験と実績による)。
原則として博士学位を有していること。
所属 理工学部 人間システム工学科
専門分野 ロボット工学、センサ工学、制御工学、人間工学、ユビキタスコンピューティング、デザイン科学、認知心理学、脳科学、認知情報処理、音響情報処理、インタラクション科学、モーションCG、VR/AR など。
担当科目 人間システム工学関連科目の講義・演習、一般情報処理科目、大学院科目。
着任時期 2009年4月1日
(一部は2010年以降着任の可能性あり)
提出書類
  1. 履歴書(写真貼付)
  2. 研究業績リスト
  3. 主要論文の別刷り(3編以内)
  4. 従来の研究経過と将来の研究及び教育に対する抱負(1500字以内)
  5. 推薦書2通(または所見を求め得る方2名の氏名と連絡先)
応募締切 2007年7月7日(土)必着
書類提出先 〒669-1337 兵庫県三田市学園2丁目1番地
関西学院大学理工学部長 尾崎幸洋
(「人間システム工学人事応募書類」と封筒に朱書きの上郵送のこと
なお提出書類は返送いたしませんのでご了解ください。)
問合せ先 同理工学部 中津良平、片寄晴弘
電話:079-565-7670, 079-565-7841
E-mail:{nakatsu, katayose}@ksc.kwansei.ac.jp
付記
  1. 本公募は新学科の文部科学省による設置認可を条件としています。
  2. 当理工学部では講座制をとっておらず、専任講師以上の教員は独立の居室および研究室を持ち、平等な条件のもとに研究・教育を行っています。

2.人間システム工学科の基本構成

高度なヒューマンシステムインタラクションの実現をめざし、映像技術、音響技術などこれまで重点的に研究してきたメディア技術に加え、従来不足していた身体性、実空間性に関する分野であるロボティクス技術、ユビキタス技術の研究分野を強化し、先端学際領域(デザイン科学、インタラクション科学、認知科学)の観点から横断的に教育・研究する。これにより、人間をトータルシステムとして取り扱う工学を確立する。情報メディア工学、情報科学、ロボット工学、人工知能などの工学と、理学さらには人文科学の一部をとりこみつつ、学際融合領域を確立する事を狙う。

新学科の設置時期は2009年4月を予定している。教員数は11名(内6名を新規採用)とし、これを映像音響システムコースとサイバーロボティクスコースの二つに分けて運営する。

3.設置の趣旨

近年、Quality of Lifeの向上、あるいは人の認知特性や感性に即した製品の開発など、人間を中心に据えた産業分野の進展がめざましい。これに伴い、人とシステムの関わりが改めて重要視されている。21世紀の社会に大きな影響を与えると考えられる新しい形のヒューマンシステムインタラクションの創出をめざして、その分野に研究資源を集中する事が急務である。そのためには、豊かな表現やユーザフレンドリを実現する映像技術・音響技術(音声、音楽)などのメディア技術に加え、人間と実空間との関わりに関する技術、すなわちロボットなど身体機能を支えるロボティクス技術、人間と実空間とのインタラクションに関するユビキタス技術が必要である。この分野は、これまで情報科学の一分野としてメディア処理に重点をおいて教育・研究されてきたが、上記のような情報化社会からの大きな要請に対応するには、人間と実空間の関わりに関する研究分野を強化する事が必要である。関西学院大学理工学部においては、情報科学科においてメディア関連研究部門が設置され活発に活動してきたが、これにロボティクス技術や空間技術に関する研究分野を新設し、一つの独立した新学科とするのが適当と考えられる。従来のメディア研究と新たに強化されるロボティクス研究、空間技術とを融合することにより、人間をトータルシステムとして扱う工学が可能となる。そのため新学科を人間システム工学科と称する。

人間システム工学を支える学問分野は、情報科学やいわゆるヒューマンメディア関連技術(画像、CG、音楽、音声、感性、ユーザビリティ)だけでなく、システム技術としての電子工学、機械工学、ロボット工学、計測工学、制御工学などの工学と共に、認知科学、人工知能、数理科学、さらにはデザイン科学、インタラクション科学など、理学および人文科学に広がっている。人間システム工学科を新しく設立することによって、このように広い裾野をもつ領域を、より完全で充実した形で実現し、研究と教育の実を上げることを期する。

4.教育・研究内容と特徴

人間システム工学科は映像音響システムコースとサイバーロボティクスコースの二つに分かれる。前者は従来の情報科学科におけるメディア研究分野に対応し、音声技術、音楽技術、映像技術、仮想現実・実時間CGなどを教育し研究する。これに対し後者は、新しく新設する部門であり、従来のメディア研究に不足していた実空間と人間との関わりに関する研究を行う。具体的には、身体機能を持つロボットを媒体とするインタラクションの探求、ロボット工学の基礎、実空間と人間とのインタラクションなどを教育・研究する。両コースの共通基盤として、デザイン科学、インタラクション科学、認知科学を配置する。

ここに提案する人間システム工学科は3つの特徴を持つ。

  1. 自然科学の基礎を重視した理工融合型の学科である。
  2. ロボティクス、認知科学、心理学、人工知能など、情報科学に限定されない広い領域を基礎におき、新しい学際領域としての発展を目指す。
  3. 受け入れる学生としては、理学や工学に興味をもついわゆる理系に限定されず、人間の特性・感性の基礎や応用に興味をもつ学生も対象とする。
人間システム工学科では、i) 数学、物理学などの自然科学の基礎、ii) プログラミング、情報処理などの情報工学の基礎、iii) 画像、CG、音楽、感性を対象とするメディア処理、iv) 人間とシステムのインタフェースを可能とするための電子工学、ロボット工学、計測工学、制御工学などの基礎、v) デザイン、インタラクションなどメディアコンテンツおよび認知科学の基礎、を重点的に教育する。人間の特性、感性をよりよく理解し、実社会からの需要に対応できる実力を蓄えるだけでなく、新しいヒューマンシステムインタラクションを創造できるような、学際領域の研究者、技術者を育てる。

人間システム工学科 (11研究室)

人間システム工学科 (11研究室)

以上